青春のプラカード 朝日放送 『歴史街道』より http://www.asahi.co.jp/rekishi/04-07-30/01.htm 全国高校野球選手権大会開会式の入場行進で、代表校のプラカードを持って選手を先導する女子高校生の姿は、もうすっかりおなじみ。このプラカードを持てるのは、西宮市立西宮高校の女生徒たちで、晴れの舞台に立つことが決まって喜ぶ女生徒たちの笑顔には「ここにも夏の甲子園が……」を感じさせる。 この“プラカード嬢”が初めて登場したのは、昭和24年(1949)の第31回大会からで、その創始者が西宮市立西宮高校の岸仁先生だったことから、現在までこの大役は同校の女生徒が独占している。プラカードを持った女生徒たちは、自分が先導した代表校の優勝を願っているが、最後に選手と同じように優勝の感激に浸れるのは一人だけだ。 第31回大会が始まる年の夏休み直前に、3年生の女子生徒全員が突然招集され、歩く審査を受けた。選ばれたのは補欠も含めて30人ほどで、身長は160cm前後に統一された。大会までにほうきを持って行進の練習をしたそうだ。 初代プラカード嬢の大役を務めた笹村環さんは、当時をふり返り「私たちが失敗するとこの試みが今回限りで終わりになるかも知れないと、持ちなれぬプラカードに神経を集中して行進しました」と、昨日のことのように話す。 |